Scratchを使ってプログラミングを始めたあと、
「Scratchの次は何を勉強すればいい?」
と考える人もいるのではないでしょうか。
ゲームやアニメーションを作ることに慣れてきて、さらに本格的なプログラミングを学びたくなった場合、選択肢の一つになるのが**Python(パイソン)**です。
Pythonは、Web開発やデータ分析、AI・機械学習、業務の自動化など、さまざまな分野で利用されているプログラミング言語です。
ただし、ScratchとPythonは見た目が大きく違います。
Scratchではブロックを組み合わせるだけだったのに対して、Pythonでは自分でコードを入力します。
では、Scratchを経験してからPythonを学ぶと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
この記事では、ScratchからPythonへ進む方法や、Scratchで学んだことがPythonでどのようにつながるのかを、初心者向けに解説します。
- Scratchの次にPythonを学ぶのはおすすめ?
- ScratchとPythonは何が違う?
- Scratchで学んだことはPythonでも役立つ?
- 条件分岐をScratchとPythonで比較してみよう
- 「繰り返し」も考え方は似ている
- 変数もScratchとPythonで共通している
- ScratchからPythonへ進むときに難しく感じるポイント
- ScratchからPythonへ進むための学習ステップ
- 子どもがScratchからPythonへ進む場合
- 大人がScratchからPythonへ進む場合
- Pythonを学ぶと何ができる?
- ScratchからPythonへ進むと「プログラミング言語」というものが分かってくる
- ScratchをやったからといってPythonが簡単になるわけではない
- ScratchからPython、そしてAIへ
- まとめ:Scratchの次にPythonを学ぶのはアリ
Scratchの次にPythonを学ぶのはおすすめ?
結論からいうと、Scratchでプログラミングの基本を体験した後にPythonへ進む方法はあります。
ただし、
「Scratchをやった人は必ずPythonを学ぶべき」
という意味ではありません。
ゲーム制作を続けたいならゲーム開発、Webサイトを作りたいならJavaScriptなど、目的に合った言語を選ぶ方法もあります。
その中でもPythonは、比較的読みやすい文法を持ち、さまざまな用途に利用されているため、Scratchの次に「コードを書くプログラミング」を学びたい人の候補になります。
Python公式ドキュメントでも、Pythonは学びやすく強力なプログラミング言語として紹介され、スクリプトやアプリケーション開発など幅広い用途が説明されています。
ScratchとPythonは何が違う?
まず、大きな違いを確認しておきましょう。
| Scratch | Python |
|---|---|
| ブロックを組み合わせる | コードを入力する |
| 視覚的にプログラムを作れる | 文字でプログラムを書く |
| 文法エラーが起こりにくい | 文法を正しく書く必要がある |
| ゲームやアニメーションを作りやすい | 幅広い用途に利用できる |
| 初心者が仕組みを理解しやすい | 本格的なプログラムを作れる |
Scratchは、ブロックを組み合わせながら作品を作ることで、条件分岐や変数などの基本的なプログラミング概念を学べます。Scratch Foundationの教材でも、条件分岐、変数、リストなどが学習項目として扱われています。
一方、Pythonでは、それらを実際のコードとして記述します。
つまり、
Scratch=プログラムの考え方を視覚的に学びやすい
Python=その考え方をコードとして記述する
と考えると分かりやすいでしょう。
Scratchで学んだことはPythonでも役立つ?
ここが、ScratchからPythonへ進むときの重要なポイントです。
ScratchとPythonは別のプログラミング環境ですが、共通する考え方があります。
例えば、
- 条件分岐
- 繰り返し
- 変数
- 処理の順番
- イベントに応じた処理
- デバッグ
などです。
Scratchでこれらを経験していると、Pythonを学ぶときに、
「これはScratchでやったことと似ているな」
と理解できる場合があります。
ただし、Scratchを経験していればPythonを簡単に習得できるという意味ではありません。
PythonにはPythonの文法やルールがあります。
Scratchで身につけた考え方を土台にして、今度はPythonの書き方を覚えていく、と考えるとよいでしょう。
条件分岐をScratchとPythonで比較してみよう
Scratchでよく使うのが「もし~なら」という条件分岐です。
例えばゲームで、
スコアが10以上になったらゲームクリア
という仕組みを作るとします。
Scratchでは条件を設定するブロックを使って、このような処理を組み立てられます。
Pythonでは、同じような考え方をコードで表現します。
if score >= 10:
print("ゲームクリア")
これは、
「scoreが10以上なら、ゲームクリアと表示する」
という意味です。
Pythonにはif文による条件分岐があります。公式ドキュメントでも、if、elif、elseを使って条件によって処理を分ける方法が説明されています。
Scratchではブロックだったものが、Pythonでは文字になっただけ、と考えるとイメージしやすいでしょう。
「繰り返し」も考え方は似ている
プログラミングでは、同じ処理を何度も実行したいことがあります。
Scratchでは、
「10回繰り返す」
のようなブロックを使えます。
Pythonにも繰り返し処理があります。
例えば、
for i in range(10):
print("こんにちは")
とすると、「こんにちは」を10回表示できます。
Pythonのfor文は、リストや文字列などの要素を順番に処理するためにも使われます。
ScratchとPythonでは書き方が違いますが、
「同じ処理を繰り返す」
という基本的な考え方は共通しています。
変数もScratchとPythonで共通している
Scratchでは、スコアなどを保存するために「変数」を使えます。
例えば、
スコア = 0
としてゲームをスタートし、リンゴを取ったらスコアを1増やす、といった処理ができます。
Pythonでも変数を使います。
score = 0
score = score + 1
print(score)
この場合、最初にscoreへ0を入れ、その後1を加えています。
Scratchでは変数を画面上のブロックとして扱いますが、Pythonでは文字で記述します。
この違いに慣れる必要はありますが、
「データを一時的に保存しておく」
という変数の考え方そのものは同じです。
ScratchからPythonへ進むときに難しく感じるポイント
Scratchを経験した人でも、Pythonを始めると最初は難しく感じることがあります。
1.コードを自分で入力する必要がある
Scratchではブロックを選んで組み合わせればよかったのですが、Pythonでは自分でコードを書きます。
例えば、
print("Hello")
のように入力します。
スペルを間違えたり、記号を間違えたりするとエラーになることがあります。
2.インデントが必要になる
Pythonでは、コードの字下げ(インデント)が重要です。
例えば、
if score >= 10:
print("ゲームクリア")
では、print()の前にインデントがあります。
Scratchではブロックの中にブロックを入れることで処理の構造を視覚的に表現できますが、Pythonではインデントなどの書き方によって構造を表現します。
この違いには慣れが必要です。
3.エラーメッセージを読む必要がある
Pythonでは、コードに間違いがあるとエラーメッセージが表示されます。
最初は、
「何を書いているのか分からない……」
となるかもしれません。
しかし、エラーを確認して、
- どこでエラーが起きたのか
- なぜエラーになったのか
- どう修正するか
を考えることもプログラミング学習の一部です。
Scratchでも、思った通りに動かないプログラムを修正する「デバッグ」を経験できます。
そのため、
Scratchで試行錯誤する経験 → Pythonでエラーを修正する経験
という形でつなげることができます。
ScratchからPythonへ進むための学習ステップ
いきなり難しいPythonプログラムを作る必要はありません。
次のように段階的に進めると分かりやすいでしょう。
ステップ1:Scratchで簡単な作品を作る
まずはScratchで、
- キャラクターを動かす
- キーボードで操作する
- 条件分岐を使う
- 繰り返しを使う
- 変数を使う
といった経験をしてみます。
ゲームを一つ完成させてみるのもおすすめです。
ステップ2:Pythonの基本文法を学ぶ
次にPythonで、
print- 変数
- 数値
- 文字列
ifforwhile- 関数
などを学びます。
Python公式チュートリアルでも、プログラミングへの第一歩から条件分岐、繰り返し、関数、データ構造などへ進む構成になっています。
ステップ3:Scratchで知っている概念をPythonで書いてみる
ここが特におすすめです。
例えばScratchで、
「10回繰り返す」
という処理を作ったら、Pythonでも同じ処理を作ってみます。
ScratchとPythonを比較しながら学ぶことで、
「プログラミング言語が変わっても、基本的な考え方は似ている」
ということが分かりやすくなります。
ステップ4:Pythonで小さな作品を作る
文法を覚えるだけではなく、実際に何かを作ってみましょう。
例えば、
- 数当てゲーム
- 簡単な計算機
- クイズゲーム
- おみくじプログラム
- テキストベースのゲーム
- ファイル整理ツール
などです。
Scratchでゲームを作った経験があるなら、Pythonでもゲームを作ってみると楽しみながら学べます。
子どもがScratchからPythonへ進む場合
子どもの場合も、ScratchからPythonへ進むことはできます。
ただし、
「Scratchを終えたらすぐPython」
と決める必要はありません。
Scratchで、
「もっとプログラムを作りたい!」
という興味が出てきたら、その時点でPythonなどを検討すればよいでしょう。
例えば、
Scratchでゲーム制作
↓
もっと本格的なプログラムを書いてみたい
↓
Pythonを学ぶ
という流れです。
一方、ゲーム制作そのものに強い興味があるなら、Robloxなど別の環境へ進む方法もあります。
ScratchとRobloxはどちらもゲーム制作に利用できますが、仕組みや学習できる内容には違いがあります。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
大人がScratchからPythonへ進む場合
大人の場合は、目的を明確にすると学習しやすくなります。
例えば、
AIを学びたい
Scratch
↓
Python
↓
AI・機械学習
データ分析をしたい
Scratch
↓
Python
↓
データ分析
プログラミングを仕事に活用したい
Scratch
↓
Python
↓
自動化・Web開発など
というように、目的に合わせて進めます。
もちろん、プログラミング経験がまったくない場合でも、最初からPythonを学ぶことはできます。
Scratchは必須ではありません。
ただ、
「コードを書くこと自体に抵抗がある」
という人なら、Scratchでプログラムの考え方を体験してからPythonへ進む方法もあります。
Pythonを学ぶと何ができる?
Pythonの魅力の一つは、さまざまな分野に利用できることです。
例えば、
Web開発
WebサービスやWebアプリケーションの開発にPythonを利用できます。
データ分析
大量のデータを処理したり、グラフを作ったりする用途にも利用されます。
AI・機械学習
PythonはAIや機械学習の分野でも広く利用されています。
業務の自動化
ファイル操作やデータ処理など、パソコン上の作業を自動化するためにも利用できます。
ゲーム制作
Pythonを使って簡単なゲームを作ることもできます。
このように、Scratchよりも大きく用途を広げられるのがPythonの特徴です。
ScratchからPythonへ進むと「プログラミング言語」というものが分かってくる
ScratchからPythonへ進むと、
「プログラミング言語って何なんだろう?」
という疑問についても考えやすくなります。
ScratchとPythonでは書き方がまったく違います。
しかし、
- 条件分岐
- 繰り返し
- 変数
- 関数
- データ
- 処理の順番
など、共通する考え方があります。
つまり、
プログラミングの本質的な考え方と、個別の言語の書き方は別のもの
として考えることができます。
Scratchは、この違いを理解するための入口としても面白い存在です。
ScratchをやったからといってPythonが簡単になるわけではない
ここは注意しておきたいポイントです。
Scratchの経験があるからといって、Pythonを始めた瞬間にコードが書けるようになるわけではありません。
Pythonには、
- 文法
- データ型
- 関数
- モジュール
- エラー処理
- データ構造
など、新しく覚えることがあります。
Python公式チュートリアルも、Python言語を初めて使うプログラマー向けであり、「プログラミングそのものが初めての初心者」を直接対象にしたものではないと説明しています。
そのため、Scratch経験者であっても、Pythonの基本から少しずつ学ぶことが大切です。
Scratchは、
Pythonを簡単にする魔法の教材
ではありません。
むしろ、
Pythonを学ぶ前に、プログラミングの基本的な考え方に触れておく
ための選択肢と考えるとよいでしょう。
ScratchからPython、そしてAIへ
Pythonを学んだ先には、さらにAI・機械学習という分野があります。
現在はAIを使ったサービスが身近になっていますが、その中身を理解したい場合には、プログラミングや数学などの知識が必要になる場面があります。
そこで、
Scratch
↓
プログラミングの基本的な考え方を学ぶ
↓
Python
↓
コードを書いてプログラムを作る
↓
AI・機械学習
↓
AIがどのような仕組みで動いているのかを学ぶ
というステップを考えることができます。
もちろん、この順番が唯一の正解ではありません。
AIに興味がある人が最初からPythonを学ぶこともできます。
大切なのは、自分の現在の知識と目的に合ったところから始めることです。
まとめ:Scratchの次にPythonを学ぶのはアリ
ScratchからPythonへ進むことは、プログラミング学習の一つのルートです。
ScratchとPythonは見た目こそ大きく違いますが、
- 条件分岐
- 繰り返し
- 変数
- 関数
- 処理の順番
- デバッグ
など、共通するプログラミングの考え方があります。
そのため、
Scratchでプログラミングの基本を体験する
↓
Pythonで実際にコードを書く
↓
自分の目的に合わせて専門分野へ進む
という学習方法を考えることができます。
Pythonの先には、
- AI・機械学習
- データ分析
- Web開発
- 業務の自動化
- アプリケーション開発
など、さまざまな分野があります。
ただし、Scratchを経験したからといってPythonを簡単に習得できるわけではありません。
Scratchで学んだ考え方を土台にして、Pythonの文法や仕組みを新しく学んでいくことが大切です。
「プログラミングを勉強したいけど、いきなりコードを書くのは難しそう」
という人なら、まずScratchで簡単な作品を作ってみる。
そして、
「もっと本格的にプログラムを書いてみたい」
と思ったら、Pythonへ進んでみる。
そんな学習方法も選択肢の一つです。

